【その3】弱者が強者に勝つ!-強者は弱いという事実
前回、「ダビデとゴリアテ伝説」を通して、逆Uの曲線について書きました。
同じような例なら、山ほどありますが、ここでは全部紹介できないので、やめます。
今日の本題に入ります。
何をもって強者といいますか?
強者はある時点で、静態としてみた時、強いです。
もし、強者を変化の中で、動態としてみると、違うことが見えてきます。
動態的視点で見て、なぜ強者は強いか?
弱いから、仕方なく、強くなっていくんです。
わかりづらいですね。
例えば、企業や組織は必死に大きくなりたがる、もっと多く稼ぎたがる。
それは、小さい規模だった時もしくは弱かった時に解決できなかったことを解決したくて、強くなって行くしかないからです。
言ってしまえば、仕方がないです。
創業期では、四五人の会社で、全員がやる気満々で、強いです。10人ぐらいの規模になれば、総務専門の人が必要になってきます。20人ぐらいになると、人事専門の人が必要になってきます。200人ぐらいになると企業文化を構築するため、広報PR部門が必要になる時もあります。
会社が大きくなる理由は、一つ一つの問題を解決したく、大きくなっていきます。
それは、「強くなっていく」ではありません。
「強い」というのは静態的な見方で見たときの状態です。実態、真相ではありません。
「弱いから強くなる」
では、逆のこともありますか?もちろん、あります。
強者のもう一つの宿命は、「強いから弱くなる」ことです。
強者は自分から自分の弱い部分に直面しないといけなくなります、場合によって自ら弱者になります。これもわかりづらいですね。
同じく企業を例にします。
会社は生き延びるために、毎年できるだけ売上を伸ばしていかないといけません。
でも、どんな巨人企業でもいつか自分の業界で頭打ちの状況に直面します。
さらに売上を伸ばしていくため、まだ体力があるうち、新しい業界にも手を出さないといけません。新しい業界、マーケットに行くと、弱者になってしまうのです。
一つの事業をやり続けるのが一番効率いいに決まってるのに、
よく多岐にわたる分野で事業を展開しているというような企業紹介を聞きます。
それも仕方なく、自分の弱い分野に進出して、弱者として戦っていくしかないからです。
LINEは日本で最強の会社の一つと言ってよいでしょう。
でも、そのLINEも様々な新しい分社に参入したとニュースで聞きます。
それも、絶えずノウハウがない新しい分野に進出し続けないと売上を伸ばせないからです。
新規立ち上げの会社が、大企業のサイド商品やサービスを狙うことが多いです。
なぜなら、大企業は自分のメイン事業があり、全部の事業を均等に守れないからです。
また、実は大企業もサイド事業に自分の資源を投入してよいか迷うことが多いです。
一方で、新規企業は荷物がなく、全力投球できるので、勝ち目があります。
でも、強者は自分に弱点があるからと言って、失敗を受け入れ、倒れていくのか?
もちろん違います。
強者は様々な方法で自分の地位を守ろうとします。
次回は、強者はどう自分を守ろうとするのか、弱者はどう攻めるべきかについて書きます。
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