Mr.Gaijinの雑談

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人生に影響する力ーー信用力

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先ず、ある殺人事件を簡単に紹介したいと思う。

 1970年のアメリカで、マイケル氏が夜中に警察に電話し、家族が自宅で襲撃されたと通報した。警察がマイケルの自宅に着いて、衝撃を受けた。それはとても残虐な殺人現場だったからだ。

マイケルの妊娠中の奥さんが寝室で殺された。頭も顔も元の姿が残っていなかった。隣の寝室で5歳と2歳のことも二人も残虐的に殺害された。

 マイケルは4人家族の唯一の生存者だった。彼の説明によると、家族は男3人、女一人のヒッピーたちに襲撃され、彼が必死に闘っているうちに気を失った。その四人は何か麻薬を摂取したように興奮しており、また、「ブタのお前らを殺す」と宣言していた。確かに、殺人現場の壁にも大きく「PIG」(ブタ)と書いてあった。

 この案件はすぐにビッグニュースになった。なぜなら、この殺人事件の6ヶ月前に、ホリウッドでも似ている案件があった。自称「メンソンファミリー」のヒッピーのグループが、映画スターを殺害する案件があって、合計7人が死亡し、殺人現場の壁にも大きく「PIG」(ブタ)と書いてあった。

 しかし、警察が調べてからマイケルの証言と現場の証拠が噛み合わないことに気づき、マイケル本人が犯人である可能性が大きいを考えた。

 まず、彼は3人の男性と必死に闘ったと言ったが、警察は殺人現場があまりにもきちんとしていた。倒れていたテーブル、ちょっと散乱していた雑誌と割れた花瓶以外ほぼ乱れていなかった。また、マイケルが病院に緊急搬送された後にわかったのは、予想していた外傷がほとんどなく、ガーゼで手当する必要がある一箇所以外に、ほぼ大きな傷がなかった。

 もう一つの証拠は、彼の奥さんの背中に青い糸が見つかった、それはマイケルのパジャマの糸だった。しかし、彼は奥さんが殺害された後に、自分のパジャマを奥さんの死体に掛けたと言っていた。もし、彼の証言が本当なら、その糸は死体の下で発見されるはずがなかった。

 また、警察が彼の雑誌を調べた時、「メンソンファミリー」の殺人事件の詳細が記載されていた記事を見つけた。ということは、マイケルがその記事を見て、殺人事件を模倣した可能性もあった。

 一言でいうと、疑うポイントが沢山あった。

 というわけで、当時警察はほぼ全力でマイケルが殺人犯であることを証明するために動いた。逆に、その4人のヒッピーを探すことに興味がなかった。

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ここまで見ればわかるのは、ほぼすべての証拠はマイケルに不利だった。しかし、裁判が正式に始まった後、風向きはがらっと180度変わった。

 なぜなら、警察が沢山愚かなことをしてしまったからだ。

 先ず、マイケルが当時着ていたパジャマのズボンは大切な証拠だったが、清掃員が間違ってそれを燃やしてしまった。また、殺人現場にの床に血がついている足跡があったが、証拠を取得した過程で破壊されてしまった。そして、現場で撮影した50枚以上の指紋の写真はきれいに撮影されておらず、全部ピンボケしていた。

 マイケルの弁護士は警察がやらかしたことを集中的に批判して、検察側に圧力をかけた。それと同時に、現場で証拠を収集したお医者さんは圧力に耐えれず、死体のしたにあった青い糸は自分が死体を検査した時にそこに落とした可能性もあると発言してしまった。

 この状況で審判員が警察の話しを信じなくなってしまった。結局裁判官がマイケルを疑う前に、その4人のヒッピーを探した方はいいではないかと意見を出した。

 ここまでくると、マイケルは無罪判決になる可能性が大きくなってきた。

が、再度風向きが変わってしまった。

 なぜなら、マイケルが被害者として、あまりにも被害者らしくないことをやったからだ。

 この案件が報道されたことで、彼はすぐに有名人になった。彼には被害者としての悲しみも家族への思いもあまり見えなかった。また、彼は記事を書いたり、テレビに出たりして被害者の身分を利用して、お金を儲けよとした。おしゃれな服装でテレビ番組に参加し、視聴率を狙って、その殺人事件を冗談事にした事もあった。

 一番問題になったのは彼が嘘をついたことだ。初めて裁判に参加したとき、彼は自分は勤勉で、家族やこどもを愛していたと証言した。しかし、彼が結婚したあと浮気した事がわかった。愛人が何人もいたようだ。

普通に考えると、これらのことは彼が人としての問題であって、案件そのものとは関係ないが、彼は完全に信用を失ったことによって、周りの見方が変わってしまった。

一人の審判員はこう述べた「最初、マイケルは犯人じゃないと確信していたが、彼が浮気をしていたことを知り、考えが完全に変わった。警察の仕事が雑だったので、警察を信じたくないが、比較すると、マイケルを信じるのはもっと難しい。」

最後、マイケルは裁判に負け、刑務所に送られた。

 

このストーリーはまだ終わっていない!

 

2017年、この案件を再度調査することになった。

なぜなら、警察が自分の信用を下げてしまうことをやらかしたからだ。

警察が証拠を隠蔽したことがバレてしまった。

その殺人現場では、一本かつらの毛が見つかっていた。娘さんの爪の中に他人の毛髪が見つかっていた。しかし、これらの証拠は警察によって隠された。

また、この案件の検査官が他の案件で賄賂や裁判官のサインを偽造したなどのことがバレた。

 これで、マイケルより警察と検察官の信用度が下がってしまった。

彼らは仕事が雑だけではなく、真実を隠そうをした可能性もあった。マイケルを支持する世論もできてきた。

今だに、これは未解決の案件になっている。

案件の説明はここまでにします。

この案件には二つ面白いポイントがあることに気づいたでしょうか?

 一、

普通の裁判では、被告側はできるだけ自分が無罪であることを証明して、起訴側は自分の証拠は有力であることを説明する。審判員が誰を信じるかが大事になってくる。しかし、この案件では逆だ、誰を信じないのかが一番大事だった。言い換えれば「お前を信じないけど、彼をもっと信じないので、彼を有罪にする」ということになった。 

二、

裁判で一番大事なのは証拠であり、真実である。しかし、この案件は数十年議論されているが、真相そのものははっきりしていない。マイケルが有罪になるか、無罪になるかを決めるのは証拠や真実ではなく、それ以外の何かが大きな影響力を発揮している。

 

それは、両方の信用である。

 

案件を見返すとわかるが、この何十年、把握している証拠は変わっていないが、双方の信用力が変わり続けた。どちらの信用力も上がったり、下がったりしていた。審判員も世論も彼らの信用力を変数として、自分の判定基準に入れて、判断していた。

 証拠は一定で、信用力が変れば、判断の結果も変わる。

当然のことだ。

 この案件について書いたのは、この案件がある真実を私達に見せてくれたからだ。

よく、「あれはあれ、これはこれ」「人ではなく、事について」と聞く。

要するに、問題を議論する時は、問題と関係ない要素を排除し、事実と真実だけを見て考えることが正しいということだ。

 しかし、人間は本当にそれができるのでしょうか?

 現実の世界では、私達が決断する時、そこに人が絡んでくる場合は、その人の日頃の信用力も一緒に入れて考えてしまうんだ。

 Aということを考えているのに、この人がB,C,Dなどのことで表した信用力は変数として私達の心に存在する。この変数は私達の判断に大きな影響を与える。

 これが真実だ。

 私達がどんなことをしても、二つの記録が残っる。

 一つは、私達がやったことそのものの結果の記録で、

もう一つは、私達がそのことをしている過程を他の人が見て、私達に着けた信用評価の記録なのだ。

 一つ目の記録は、何かをする時にしか存在しないが、二つ目の記録はいつも変動している。

一つ目は今を影響する変動要因であって、二つ目は今だけではなく、将来も含め、全体の変動要因になる。

 この二つの記録、どちらも大事だ。

なぜなら、その二つを相乗した結果が、まわりが私達を見る尺度になるからだ。

 

では、また〜

 

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