Mr.Gaijinの雑談

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財務の思考回路 その2ー それは資産ですか?

前回のブログでは、財務諸表の中での三つ重要な表、貸借対照表損益計算書キャッシュフロー計算書について簡単に説明しました。           
mrgaijin.hatenadiary.jp

 

今日から貸借対照表について書きます。

普通の会計の授業なら、貸借対照表の作表から説明を始めますが、ここでは作表ではなく、まず財務の思考回路に基づいて、資産に対する理解を深めたいと思います。

 

なぜいきなり資産の説明から始めるのかというと、資産の部分は貸借対照表のほぼ半分を閉める重要な部分だからです。

 

会社は毎日お金を使っています。普通に考えると、会社が購入した見える物、例えば、工場の設備、事務所のデスクなどは資産であって、電気、水道など目に見えない出費は費用になります。

 しかし、本当にそうでしょうか?

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 一、資産とは?

 例えば、あるクッキー屋さんが特殊なオーダーを受け、そのために型を特注したとしましょう。クッキーを作成した後、特注した型が20個残りました。

考えて見てください、この20個の型は資産でしょうか?費用でしょうか?

ちゃんとお金を払って買った型なので、資産に決まっていると思う方が多いと思います。

 もし、この質問を稲盛さんのようなトップの経営者に聞けば、回答が違うかもしれません。
稲盛さんは世界トップ500の企業を二つも作った経営者です。彼が京セラを経営していた時代にも同じ問題がありました。京セラの製品の中では、お客様からの受注生産が多かったです。しかし、稲盛さんは残った型を資産と考えたのではなく、費用として計上処理していた。

なぜ?

答えは簡単です。型はお客様のために特注したものなので、他のお客様には転用できません。特注したお客様が京セラに再度依頼しない限り、それらの型には価値がないからです。

すなわち、それらの型は将来、京セラに利益を与えることはありません。お金を払って購入した型ですが、資産とは言えないです。

この例から資産の本質が理解できたと思います。

資産と言っていい基準はただ一つ:将来、企業に利益を与えるかどうか?です。将来企業のために利益を作りだせるモノだけを資産と言えます。

 

では、クッキー屋さんの残りの20個の型を資産と見なせば、クッキー屋さんにどんな影響がでますか? 

まず、費用を間違って資産にすると、当期の利益が増えて、支払うべき税金が増えます。残った型に価値はないのに、そのために余計な税金を支払うのは、無駄でしかないです。

例えば、クッキー屋さんがローンを返済しないといけない時に、店に現金がなく、一部店の資産を売ると決めた時に、担当者が帳簿上にある20個の型を販売すれば良いと思っても、結局買い手がないため、現金化できず、ローンの返却ができなくなります。場合には、銀行と取引停止になってしまう可能性もある。

 資産を正しく認識する必要があること、この例で分かったかと思います。

 会計基準に限界があるため、財務諸表に記載されている資産と企業が実際に所有する資産に乖離があることが多いです。財務の思考回路がしっかりしている人なら、財務諸表に記載されている情報にとらわれず、モノの本当の価値から資産を定義することができる。

 

二、研究開発費用は資産?それとも、費用?

研究開発費用はもっとも意見が分かれる勘定科目の一つです。

日本の会計基準では、研究開発の為に発生した費用は発生時に費用として計上する。

なぜなら、研究開発の失敗率が高いからです。将来会社に利益を与えられるかが確定できないからです。

じゃ、研究開発費用を費用として計上する場合、企業にどんな影響を与えるのか?

費用が増えれば、利益は減ります。企業の研究開発が進めば進むほど、当期利益が減っていきます。場合によって、赤字になってしまうこともあります。

 だから、政府が企業に新しいことにチャレンジするようにと言っても、会計基準は研究開発をサポートしていないんです。特に上場会社の場合、利益が減れば、株価が落ちる可能性もあるので、今の会計基準は新規研究開発を制限していると考えてもいいです。

 研究開発しなければいいじゃないかと思う人もいるかもしれません。

しかし、上場会社を見ると、どの会社も継続的に研究開発を進めています。

じゃ、それらのCEOは研究開発のせいで、当期利益が減ることを知らないですか?

もちろん、ちゃんと知っています。

もっと重要なことは、研究開発は企業の競争力を上げる重要な方法で、将来会社に大きいな利益を与えます。

これは正しい考え方です。

アメリカのある研究によると、企業が研究開発に1ドル投資すると、将来7年間では累計2ドルの利益を増やせます。

財務の思考回路がしっかりした投資家なら、会計基準を限界を超えて、研究開発の本質を理解して、企業の価値を見い出せます。

もう一つの研究によると、企業が研究開発に1ドル投資すると、資本マーケットでの評価額が5ドル増えるそうです。

これらの情報でわかるのは、投資家にとって、研究開発費は費用ではなく、資産になります。

以上の事情を踏まえた上で、近年、会計基準にも少し変化が起きています。研究開発の早期段階、研究段階、言い換えれば、0から1を作る段階の出費を費用として処理して、製品の改善の為に使われた費用は資産資産として計上できるように成りました。(一部条件あり)


三、費用がどうすれば資産になる?

 研究開発費の次に、人について話します。

人(人件費)は費用?それとも資産?

会社の損益計算書を見ると、従業員の給料は「人件費」として計上され、費用の欄に入ります。言い換えれば、従業員に働いてもらうために出したお金は会社を運営するための出費になります。

では、スポーツ選手、特にスター選手のための出費は費用でしょうか?

ご存知の通り、スター選手の移籍費用はとても高いです。例えば、当時ロナウド選手がマドリードからユベントスへ移籍した時、受け入れ先のユベントスが135億円の移籍費用を支払いました。この巨額の費用はユベントスの帳簿上では費用計上ではなく、資産として計上されていた。

なぜ資産計上するのか?

それは、選手がスポーツクラブの最大の資源であるからです。ユベントスロナウドがクラブの為に巨大な利益をもたらすと信じているからです。前文でも伝えたように、将来利益になる費用は資産になりますので、移籍費用は無形資産として計上されます。

日本でも同じです。例えば、野球選手との契約金は「繰延資産」として計上され、最大三年間にわたって償却処理をするようになっています。

 一人の価値が十分に大きくて、組織に大きな利益を与えられる場合は、費用が資産に変わります。

 あなたの給料は会社の費用ですか?資産ですか?

 

 四、資産は資源の一部しかない

財務諸表にある費用の一部は資産として見なせることが理解できたと思います。実は、企業にとって重要な資産が財務諸表に記載されてない時もあります。

皆さんが大学を選ぶ時、大学の財務諸表を見ましたか?もちろん、99%の人は見てないはずです。必要がないからです。

大学の財務諸表の資産欄には、建物、設備等が記載されています。

では、日本全国の優秀な学生が東大や京大を目指すのは、大学の財務諸表を見て、資産欄に立派な建物があるからでしょうか?違います。

東大や京大のブランドが全国の学生を引き付けています。

そのブランドは価値があるか?もちろんあります。そのブランドだけで、何の宣伝をしなくても、学生が勝手に頑張って、志願してきます。

じゃ、財務諸表の資産欄にブランドが記されていますか?記載されていないです。

なぜなら、東大や京大のブランドは価値が高くて、資産の基準に達しますが、その価値はいったいいくらになるか?数値化できないため、今の会計基準では財務諸表に記載できません。

ですので、企業の重要な資源が、財務諸表に記載されているとは限りません。

 

コカコーラを知らない人はいないと思います。

このブランドはどれぐらいの価値があると思いますか?

コカコーラの創業者は「もしある日、会社のすべての工場と設備が燃え尽きても、このブランドさえあれば、半年後に同じ規模の会社を複製して見せる」と言ったことがあります。

しかし、この価値は、コカコーラの財務諸表に反映されていません。

もし投資家がコカコーラの財務諸表外の価値を知らなければ、この会社の価値を見下すことになります。

まったくブランド力がない、コカコーラとまったく同じ規模の会社があるとします。財務諸表から見れば、コカコーラと同じ価値になりますが、将来の価値を考えれば、絶対コカコーラのほうが良い投資先になるのは違いないよね。

 

では、また〜