【その2】デザインだけではない、ビジネスの世界でも力を発揮するシンプル化、簡素化!
前回のブログで、なぜ簡素化、シンプル化が重要かについて書きました。
今回は簡素化、シンプル化するための具体的な方法について書きます。
『Simple and Usable』(Giles Colborne 著)中のシンプル化、簡素化させる四つの方法を紹介します。
Simple and Usable Web, Mobile, and Interaction Design (2nd Edition) (Voices That Matter)
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- 出版社/メーカー: New Riders
- 発売日: 2018/01/06
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一、削除する
2006年に行われた実験があります。
二つのMP3プレイヤーがあります。一つには7個の機能があって、もう一つには21個の機能がある。研究者が実験の参加者を二つのグループ、AとBに分けました。
グループAは観察のみ、グループBはトライアルした。どのMP3プレイヤーが好きかと調査すると、グループAの70%の参加者は機能が多いプレイヤーが好きで、グループBは56%の参加者は機能が少ないプレイヤーを選んだ。
ということは、使用していない人は多機能モデルが好きですが、実際に使ってみれば、機能が少なくて、使いやすいモデルを好みます。
ですので、大胆に非核心的な機能を「削除」すべき。たとえば、本当にリモコンに大量なボタンが必要か?それとも「プロユーザー」のニーズか?「プロユーザー」のニーズなら削除する。(プロユーザーの定義は前回のブログで確認してください)
二、構成を変える
では、本当にリモコンに大量なボタンが必要なら、リモコンシステムの構成を変えるべき。
大量のボタンを適切なグループに分けます。
どうグループ分けをするのか?
縦横の空間を利用することです。たとえば、第一階層を開いてから、第二階層に入るようなシステムにする。
三、隠す
メインユーザーがあまり使用しないが、必要な機能なら、隠す。
例えば、ウェブサイト上の必要だが、重要ではないボタンを隠して、マウスを動かしたら初めて出てくるようにする。スマホで写真を二秒以上押すと保存機能が出る。これらは機能を隠していることになります。
四、移転させる
必要だけど、不便な機能を移転させる。
例えば、最近のインターネットとつながるテレビにユーザー名やパスワードを入れないといけないことが多い。リモコンで入力すると面倒くさいので、テレビに出るバーコードをスキャンして、スマホで入力するようにすれば、入力がしやすくなりますよね。これは、機能を違うデバイスに移転することです。
最後に簡単にまとめます。
シンプル化、簡素化の本質は選択です。
70%のメインユーザーの為に、製品(またはサービス)を簡素化する。
メインユーザーが使わない機能を削除する、よく使う機能の構成を変える、あまり使わない機能を隠す、使いづらい機能を移転させる。
70%だけのユーザーの為なら、30%を失った感がありますが、もっと大切なメインユーザーが満足すれば、逆に得るものが大きいです。
では、また~
関連書籍
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